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画像診断随筆 はじめに

改めまして自己紹介です。ネット上ではじゅんじゅんと申します。卒後10年ちょっとの医師で、主に放射線画像診断を仕事としています。途中で数年間病理診断にも手を出し、病理診断もやる放射線科という少し変わった経歴です。さらに言うと内視鏡もやるので、内視鏡も含めると2.5刀流くらいになります。

画像診断にせよ病理診断にせよ、主に仕事として行っているのは、患者の画像を眺め、所見を認識して解釈し、医学的に意味のある文章にするという作業です。卒後約10年にわたり、寄り道をしながらも画像診断を仕事としてきた中で、この『画像を眺めて想っていること』というのを自分の言葉で文章にしてみたいと思い、この企画を始めてみました。

画像診断の教科書は主に臓器別、病態別、疾患単位で記述され、『この疾患・病態は、こういった所見を示す』という形で説明されることが多いです。画像診断の際に常に考えている、『この部分は正常なんだろうか、病変なんだろうか』とか、『この病変はどう解釈すればいいのだろうか』という思考の部分については中々記述がありません。

今回、そういったあまり教科書で書かれないような部分を中心に、領域ごとに『私が読影するときに頭の中で想っていること』をテーマに、自由に書き進めていきます。放射線科の初学者~研修医あたりを対象として、教科書とエッセイの中間くらいの、程よい堅さの内容にしたいと思います。さらに、まだ経験は浅いものの、私の病理医としての経験・知識も総動員し、画像の奥に内在する病理組織にも想いを巡らせた、ユニークな記述ができれば良いと思っています。

本稿を書き進めるにあたり、いくつかの目標があります。

・自分自身の成長のために

私の放射線診断医としての経験は10年足らずで、初学者ではないものの、完全な上級者とは言えないような、いわば中級者だと考えています。自分で立派な教科書を書き上げるようなエキスパートの域には達していませんが、早くその域に達したいと思っています。

この企画の一番の目的は、思考のアウトプットにより自分自身が成長することです。少々書き進めてみてわかりましたが、比較的初学者を対象とした内容であっても、いざちゃんとした文章にするとなるとかなりの量の復習と知識の整理を要します。これを機に全領域にわたる知識のアップデートを行い、画像診断医としての成長につなげたいと考えています。

・将来の自分への覚書

経歴で述べたように、私は病理診断もやっており、近い将来には画像診断と病理診断の二刀流で働きたいと考えています。それがどのような勤務形態となるのかは実際に二刀流で働いてみなければわかりませんが、画像診断一筋の人と比べると、画像診断を行う機会が少なくなることが予想されます。画像診断にそこそこ慣れてきた今、自分はこう考えて読影しているということを書き残しておき、将来振り返ってみた際に、あの頃の自分はこう考えて読影していたということを簡単に確認できるようにしておきたいと思います。

・イラストを描けるようになりたい

自分のアイデアを表現するにあたり、気軽にささっと絵で表現できるとどんなに便利だろうかと常々考えています。

この企画では、随所に自分で描いたイラスト、シェーマを載せていきます。これまでちゃんとしたイラストを描いた経験はありませんが、これを機会に、試行錯誤しながらイラストを描いてゆきたいと思います。

画像診断に関する記述を進めていくにあたり、実際の放射線画像を提示できれば便利で手っ取り早いのですが、個人情報や著作権の関係で面倒そうなので、自分の描いたイラストで代用したいという目的もあります。

当初は、iPadを使ってデジタルで描いていこうと意気込んでいましたが、思いのほかうまく進みませんでした。おそらくこれは、絵を描くことそのものの修練と、絵画ソフトの使い方の修練を同時に行ったためにうまくいかなかったのではないかと推察しています。そこでやり方を変えて、原始的ですが紙にボールペンとサインペンで絵を描いて、スキャンで取り込んで使用しようと考えています。買ってきたスケッチブック1冊分くらいはアナログで絵を描いて、慣れてきた頃合いでデジタルに移行しようかと思います。少し描いてみたところ、当然のことながら直感的でわかりやすく、とてもストレスなく描き進めることができ、良かったと思っています。慣れないソフトであれこれやり方を悩むより圧倒的に早いです。

そういうわけで少々見栄えが悪いかもしれませんが、当面の挿絵は手書きとなります。上達に必要なのは実践あるのみ。『上手くなってから公開しよう』では中々上達しないらしく、早く上達するためにも未熟なうちからどんどん公開していきます。慣れてきたら頃合いを見計らってデジタルに移行したいと思います。

時間はかかると思いますが、頭から手足の先まで全領域をマイペースに書いていきますので、気長にお付き合いいただければ幸いです。

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この記事を書いた人

30代医師。放射線画像診断をやりながら病理診断もしています。

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